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本機は降雪量や積雪深を直接表示・出力する機能を有しませんが、 センサー前を通過する降雪粒子の反射時間を計測し、反射時間毎にグループ分け後、 そのグループ毎に係数を乗じ、1分,5分,10分間隔で検知数や検知時間構成等をCSVでデータ化します。 これらを短時間積算する事で積雪深計では現れない降雪初期の状況変化や少ない降雪も観測できます。 又、継続積算する事で時間降雪量として算出できると考えられます。 下欄 SFC-211 (Field Test) を参照下さい。 |
機器概観 角度変更台座・コネクター等突起部は含みません。 詳細は 取扱説明書 をご確認願います。
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標準取り付け金具と -->
オプション金具例 センサーは市販の単管等を利用し安全な場所に取り付けて下さい。 左下へ引き出されているのは温度センサーです。 |
機器接続構成図 AC-DCアダプタ、PC-I/F 部、センサーケーブル、センサー部 センサーケーブルは別途30m迄10m単位で製作可能です。 30m以上ご要望の場合は仕様が変わりますのでご相談願います 製品価格にセンサーケーブル、USBケーブルは含みません。 PCの代わりにR-Piなどを使いLANやルーター経由でサーバーへ upすることも可能です。 |
通信ソフトによる設定イメージ <--- Zoom PCで設定する場合 SFC-211用アプリをインストールして頂き PC(USB-A) <--> USB-B(micro) ケーブルを接続して下さい。 設定内容の詳細は取扱説明書をお読み願います。 左はアプリの抜粋画面です。 対象OSはWindows10(64bit)です。 |
スマートホンでの設定イメージ
現時点では Android携帯に限定されますが 専用アプリをインストールして頂きますと、 携帯(USB-C) <--> USB-B(micro) ケーブル接続による 各項目の設定が可能です、 但し、データのロギングはできません。 設定内容の詳細は 取扱説明書 をご確認願います。 |
実機でのサプリング試験データを掲載します。(初期11分割、後に13へ変更) 下表はセンサーの替わりにアナログ信号発生器を接続しサンプリングしたものです。 計算上1分間に30,000粒子と言う非現実的な入力も99.9%で捕捉しているので 誤差としては問題ないと考えられますが、機器全体の能力評価は別途行います。
出力されたCSVデータを表計算ソフトに取り込んだ例 (初期12分割、各係数1) |
■ 降雪観測データ
降雪観測 実際の降雪観測では過去の実験で予想した通り 細粒にも対応できている事が確認できたと同時に 旧型センサーと比較して分散した判別と計測数が得られ、 センサー反応の速さが良好な結果を得ている事も確認できた 初期計測後(2,3,4,5,6)を7分割とし、分割構成を11から13に 変更してあります。(下段のグラフを参照ください) 12番目は長時間検知等のエラー表示です。 |
左図は細かいツブ状の降雪を計測 前半2時間と後半3時間では後半の降雪量が多く 計測されていますがこれは実際に降雪量が 増えているので正常な変化です。 下図の大つぶ降雪に比べ時間あたりの検知数は 多いが積雪は少なく、この5時間の積雪深は 計算値15cm、実測14cmでした。 積雪深としては積雪圧密が影響していると 推測されますが、時間あたりの降雪量としては 相当と考えられます。 |
左図は13振り分けに変更した分布構成 計測条件・降雪状況は上図右(11振り分け)同様。 振り分け範囲を変更した事で各時間の検知数は少なく 見えますが11分割より具体的な構成が見え、 時間降雪強度の変化が捉えやすくなりました。 14番目はエラー表示です この9時間の積雪深は計算値44cm、実測42cmであり 上記ツブ状降雪同様に積雪圧密の影響はでていますが 時間あたりの降雪量としては相当と考えられます。 |
上図13振り分けの積算図 図はデータ取得後1時間積算でグラフにしています スタートの違いは降雪から計算した値と、落下して 融雪した後に積雪になった時間差からズレが生じて いると考えます。 計測しながら集計する事で、検知時間分布と合わせて リアルタイムな変化を捉えられると推測しています。 また、散水制御に利用する場合は人間の感覚に近い、 降雪状況に応じた制御ができ、節水に繋がると考えて いますが、市販機器との比較には至っていません。 |
実際の観測データ(例) 下は1分単位で出力された物を集計しています。 また、最下段は12:00~13:00の1時間集計で、この場合は表計算上で集計されています。 |
実測中データ(自動更新) : 基礎データがあれば下図の様にリファレンスを設定する事で状況確認が容易になります。 ---- 更に詳細なデータをご要望の場合は SFC-244 をご検討下さい。---- |
過去の実験データ 長すぎず、短すぎず・・・ 過去、この種の観測はN社降雪センサーに組込みされたPanasonic製赤外線反射型センサーを用いてきた、 機器制御部は端子台が露出しており、電源と信号を比較的簡単に取り出せるので設置も容易であった。 また、降雪センサーとしての性格上、製造時にほぼ一定な検知ができる様に距離を調整されている。 このセンサーで大きな問題は無いと思っていたのだが、風が強いエリアでは極端に検知数が少なく、 逆に風が弱く降雪が多い時間帯には、検知時間が比較的長くかなり大粒と思われる物が多く捉えられて いる現象が確認された事がある。 これらから推察するに・・、 風が強い時は光の反射時間が極短時間となっている・・又は、反応が間に合っていないと推測される。 検知時間が長い物は、雪片がセンサーの目前とその後(手前と奥)で重なり、距離差がありながら継続して 長い時間反射し、センサーとしては1つの粒子に見えている可能性がある。 これはセンサーが距離や大きさでなく単純に反射の有無をみている為で、検知距離が長いほど重複する 確率が高くなる。しかし、検知距離が短いと検知数が少なくなると言う弱点もある。 今回採用するセンサーはN社で使われている物の約半分の検知距離だが、反応時間も半分と高感度である。 N社現行センサーは反応速度が2mSと決して遅くはないが風の強い日には検知数が少なくなる事から、 本機では反応の速いセンサーを選択した。 風で検知時間が短くなった物や細かい粒子、あられ、みぞれにも反応できる事と予想している。→ 結果良好 一般的に降雪センサーに於ける信号処理は光の反射信号(検知信号,検知パルス)をケーブルで制御部に送り、 制御部内でカウントしているが、ケーブルが長い場合、極短い反射時間(細粒)の信号は伝送歪みにより 捉えられていない事も考えられる。 また、伝送歪や半導体の電気的動作点(閾値)による検知時間の変化も考えられる。・・等から 本機はセンサー直近で信号を計測し、1分間集計した後デジタルデータとして送出する事でロスをなくした。 計測回路は疑似信号によるサンプリング試験でも問題無く計測しているので、あとはセンサーの反応次第か、 動作温度も今までのセンサーより低い-25℃ まで対応できるので期待はできる。 風が無く細かい降雪だけなら積雪深・時間降雪にあまり寄与しないので2mS品のままでも良いのだが・・。 まずは今冬の観測に期待したい。 → 良好な結果が得られた。 |
某日某所、(旧)SFC vs 積雪深 図_1 計測した降雪時間データと積雪深をグラフにしてみた。(1) グラフは積雪深計2台、旧SFC 2台のデータ+手測りの5データ 途中 0cmになっているのは積雪を排除(リセット)してている。 各測器が同一地点・空間を測定している訳ではないので差はある 気温が-10℃一定である事と積雪が少ない為、圧密沈降も少ない。 この結果を踏まえて次の屋外観測を行った。 |
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某日某所、 (旧)SFC vs 積雪深 (自然降雪) 図_2 計測した降雪時間データと積雪深をグラフにしてみた。(2) 降り始めから54時間、ようやく雪が止んだ、これだけ降ると 自然沈降圧密が多くなると思われ、それを見る為に75時間迄を グラフにしてみた、温度係数、圧密係数他の係数を加味すると かなり良い関係が見えてくる。 スタート位置を合わせる為に旧データはオフセットしている。 期待して同じ係数のまま同一センサーの別時間帯を見ると・・ 残念ながら簡単にはいかない。 ましてや違う場所ともなれば更に係数条件が変わる。 |
図_3 計測した降雪時間データと積雪深をグラフにしてみた。(3) 図_2と同一センサー・場所による別時間帯(77時間)の比較 図_2と諸係数は違う。 途中降雪が止んでいる時間の沈降・圧密処理が問題か・・。 降り始めから止む迄のイベント毎の降雪は見えそうだ 今回の換算には風を考慮していないので今後の課題。 旧SFCのデータはスタート位置をオフセットしている。 |
図_4 計測した降雪時間データから積算降雨量へ換算してみた(1) 図_3の26時間目から45時間迄、19時間の1イベントデータ 降り始めからのイベントとしては良い関係が見える。 旧SFCのデータはスタート位置をオフセットしている。 |
図_5 計測した降雪時間データから積算降雨量へ換算してみた(2) 図_3の61時間目から80時間迄、19時間の1イベントデータ 降雪深同様、図_4と同じ係数で・・とはいかない点が問題。 (新SFC-211で対応) 旧SFCのデータはスタート位置をオフセットしている。 |